『私を離さないで』
この本を読み終えてもう1ヶ月になろうとしているが、自分の中で答えが出せなくてずっと頭を離れなかった。
※注意!ここから先ネタバレです!
この本のことは、映画化されたことで知った。
わたしを離さないで [DVD]/キャリー・マリガン,アンドリュー・ガーフィールド,キーラ・ナイトレイ
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作者は、あの「日の名残」の作者だと知ってびっくり!
と言っても、こちらは映画しか知らないけど
日の名残り コレクターズ・エディション [DVD]/アンソニー・ホプキンズ,エマ・トンプソン,ジェイムズ・フォックス
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しかも、カズオ・イシグロという日本人。
ここに、来日された時のインタビューが!
く~~~かなり好み~
登場人物たちは、臓器提供を目的とされたクローン人間。
(と言ってもSFではありません。)
同じ境遇の登場人物達は学校で寮生活を送り、学校から巣立っていく。
その後は、臓器提供して人生を全うするか、
臓器提供者の介護人をするかの2つの選択しかない。
登場人物たちは、子供の頃から教師達に少しずつ自分達の将来のことや境遇は教えられているので、葛藤や恐怖はもちろんはあるものの、強烈なショックや悲壮感のようなものはない。自信とプライドを持って堂々と生きている。
ハラハラドキドキの小説とは異なり、
淡々と通常の日常にあるような小さなエピソードが起こるのみだ。
静かだけど、サスペンスのようなこれから何かが起きるぞ!
といったピーンと張りつめたような雰囲気が最後まであって、
読んでいる間中緊張感があった。
将来が決まっている人生、
選択支が2つしかない人生ってどうなんだろう??
これが、読み終えた後になかなか自分の中で答えがでなかったことだ。
1つの選択子が死につながることなので
一見不幸な感じがするけど、なんか違うな…と。
で、2,3日前になんとなく答えがでた
私たち自身もほとんど変わらないなと。
世の中には色んな職業が溢れていて、私達はどんな職業も選ぶことができる。
しかし、本当になりたい職業についている人がどれだけいるのだろうか?
自分がなれる職業の中から選択しているだけじゃないかと。
自ら選択支を減らしてるじゃないか
他のことについてもそうだ。
時間がない、お金がない、と自分自身で選択の範囲を狭めていて、
結局2,3の選択支の中からしか選んでいない。
仕事だと、「やれ」と言われていることをやるしかないという、
選択支すらない場合もあるじゃないか
作者のインタビューで、
「人生は思ったより短い」
というメッセージを伝えたかったそうだ。
自由って難しい。
いずれにしても、どんな選択もできる自由をもっと活用しなきゃな。
と、思ったら、今度は
「自由を活用するにはどうすれば….」
という考えにはまってしまった….
あ~自爆だな